index
先行技術検索
ここでは、先行技術検索についての基本的なガイドラインを提供します。Derwent Innovations Index を使用する前に行っておくべきことについて説明します。
index
先行技術とは?
概して、先行技術とは、特許出願や審査レポートで引用されている国内および外国の公用ドキュメントです。先行技術は、発明の新規性、有用性、非自明性に関する特許出願人の主張をサポートするものでなければなりません。先行技術には、特許ドキュメント、ジャーナル記事、技術刊行物、開示情報、およびその他の公開情報が含まれます。
Derwent Innovations Index は、2,200 万件を超える特許レコードを収録しており、先行技術を広範囲に調査できます。この強力な検索ツールでは、検索条件を使用して、Derwent Innovations Index の特許データベースを検索し、特許レコードを取得できます。
追加の検索ツールである Derwent Chemistry Resource を購読している機関では、200 万件を超える化合物を化学構造データベースから取得できます。また、特許データ検索と化学データ検索を組み合わせて、特許レコードと化合物レコードの両方を含む組み合わせ検索を行うこともできます。
index
先行技術検索とは?
先行技術検索とは、特許ドキュメント、ジャーナル記事、技術刊行物、開示情報、およびその他の公開情報の系統的な調査です。優れた先行技術検索は、発明が特許の保護を受けられるかどうかを明らかにします。先行技術検索は、発明の新規性、有用性、自明性を明確にする最良の方法です。また、発明が既存の特許を侵害しているかどうかも明らかになるため、結果によっては、法的な異議申立がされることもあります。
index
先行技術検索の目的
特許技術検索は、特許出願処理における必須段階です。優れた先行技術検索は、すでに特許で保護されている発明を、時間、お金、労力を費やして開発する価値があるのかどうかを見極めることができます。また、既存の特許について知ることで、製品の市場投入時期が競合他社よりも後になってしまったり、市場投入前に製品が時代遅れになってしまうことを回避できます。先行技術検索は、より良い特許出願を作成する上でも役立ちます。
次に、先行技術検索を行う理由を示します。
-
特定の技術分野における発明の意義を評価できます。
-
同じ研究に取り組んでいる研究者や同じアプローチを採用している研究者を確認したり、主題について言及している特許が存在するかどうかを調べることができます。
-
わずかに似ているために特許審査官によって引用される可能性があるものを徹底的に検索することや、特許調査目的で調査段階を繰り返し行うことができます。
-
引用分析を利用して、可能性のある模倣者や、特許が付与された技術の新しい市場と用途に引き付けられた競合者の出現を監視できます。
-
研究開発概念がすでに特許で保護されているかどうか、あるいは特許保護の期限切れにより発明を利用できるかどうかを調べることができます。
index
検索ストラテジの策定方法
すべての研究開発において、最初に世界中の特許ドキュメントおよび技術文献を検索して、重複による無駄を排除する必要があります。
先行技術検索の最初のステップでは、検索の範囲を決定します。検索の範囲と焦点は、主題(たとえば、電気、化学、工学など)と情報源によって異なります。検索の初期段階で、検索の範囲を調査するのに必要な時間を割り振っておく必要があります。検索の結果は、実際に調査に費やされた時間によって左右されます。
次のステップでは、検索タイプを決定します。Derwent Innovations Index には、検索と詳細検索があります。
まず、以下のことを確認します。
ヒント ... Derwent Innovations Index の特許レコードには、審査官および発明者によって引用された特許と記事のリストを表示する引用特許機能と引用文献機能があります。引用特許は、特定の特許で引用されているすべての特許のリストを表示します。引用文献は、特定の特許で引用されているすべての記事のリストを表示します。Derwent Innovations Index では、引用特許の詳細表示へのリンクを利用できます。
index
事前に準備しておくべきこと
実際に検索を行う前に、できるだけ多くの情報を収集します。以下に、事前に準備しておくべき情報の例を示します。
トピック(検索語)
発明とその役割や実施方法を表す一般的な用語やフレーズについて考えます。用語やフレーズに対する検索結果が多すぎる場合は、いくつかの結果レコードを確認して検索語を見直し、検索結果を絞り込みます。"コンピューター" のように、検索結果が多い一般的な用語は避けて、"コンピューターアプリケーション" のように、より具体的なフレーズを使用します。
検索演算子とワイルドカードを使用すると、検索条件を細かく定義できます。たとえば、diabet* AND insulin* のトピック検索を行うと、タイトルや抄録に diabetes、diabetic、insulin、および insulin-dependent という用語を含む特許レコードを取得できます。
index
特許番号
検索のとっかかりとして、既知の特許番号をメモしておきます。詳細表示にリストされているすべての特許番号をメモしておき、後で検索機能を使用して、追加の特許レコードを取得できます。
詳細表示には、発明者/審査官によって引用された特許の番号も表示されます。すべての引用特許を調べる必要があります。引用特許からのリンクを使用して、これらのレコードの詳細表示にアクセスできます。
index
発明者
類似する化学特許や化学以外の分野の特許を開発した発明者名をメモしておきます。この名前を使用して、初期検索を行うことができます。
多くの特許には、複数の発明者名が記載されています。詳細表示にリストされているすべての発明者名をメモしておきます。検索を進めていくうちに、メモしておいた発明者が単独発明者であるレコードが見つかることがあります。
index
譲受人
類似する特許を開発した企業や機関の名前をメモしておきます。この名前を使用して、初期検索を行うことができます。
特定の企業や機関によって出願された特許に記載されている発明者名と、その機関や特許審査官によって引用された特許の発明者名もメモしておくようにしてください。
index
ダウエントコード/その他のコード
以下のコードをメモしておきます。
- 国際特許分類コード
- ダウエントクラス
- ダウエントマニュアルコード
- プライマリアクセッション番号
これらのコードは、詳細表示に記載されています。後で詳細検索でこれらのコードを検索して、追加の先行技術レコードを取得できます。
ワイルドカードを使用すると、関連する特許ドキュメントを検索に含めることができます。たとえば、ダウエントマニュアルコード T01-C03* を検索すると、ダウエントマニュアルコードが T01-C03C、T01-C03CA、T01-C03C1 などの特許を取得できます。
index
日付
以下の日付をメモしておきます。
これらの日付は、詳細表示に記載されています。後で詳細検索でこれらの日付を検索して、追加の先行技術レコードを取得できます。
index
先行技術検索タイプ
概して、先行技術検索は、以下のカテゴリに分類されます。
index
新規性検索
新規性検索は、特許を出願する前に行います。米国、英国、日本、およびその他の国において、発明が特許で保護されているかどうかを確認するために行います。特許審査官は、1 つの先行技術だけに基づいて特許の出願を拒絶できます。また、いくつかの先行技術を組み合わせることで、発明の自明性 をすべて明らかにし、拒絶の理由とすることができます。
index
有効性検索
有効性検索は、特許を発行する前に、特許審査官がすべての先行技術を評価するために行います。特許出願処理過程で、重要な先行技術文献が見落とされていないかどうかを確認するために行います。審査官が認識していたら特許が発行されなかったとされる先行技術の見落としは、特許を無効にできます。
index
侵害検索
侵害検索は、製品を販売する予定の国で、現在有効な(つまり、有効期限が切れていない)特許を検索します。新しい発明が侵害する可能性がある特許を見つけます。つまり、侵害検索は、特定の国の特許法で保護されている既存の特許を調査して、訴訟の可能性を回避するために行います。
米国では、特許の有効期間は、出願日から 20 年間あるいは特許発行日から 17 年間です。特許の有効期間は、国によって異なります。侵害検索は、特許の有効期間よりも前に遡って行う必要はありません。
index
最先端技術検索
最先端技術検索は、先行技術検索の中で最も広範で一般的な検索です。世界的な技術動向の調査を始め、最新の先行技術から競合他社の動向分析、あるいは関心のある主題から新しいアイデアの取得など、最先端技術検索の目的はさまざまです。
|